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参院選出馬の森元美代治さんにインタビュー

20010521
森元美代治・美恵子夫妻、全生園にて
[2001.6.16、茂木 亮]

森元美代治さん(63)が7月の参議院選挙の比例区に民主党公認で立候補することが決まりました。

森元さんはこれまでも全国で講演をしたり、ハンセン病問題の啓発活動にとても力を注いできました。立候補表明の記者会見に先立ち、6月16日、立候補を決意した経緯や、これからの意気込みを聞かせていただきました。

多磨全生園にてインタビュー

熊本地裁の判決を受けて国がハンセン病元患者への支援策を作っている中、私が以前から望んでいた社会復帰したいという・・、死に場所は療養所ではありたくないという願いがあって、議員になれば社会復帰が果たせるとの思いで、決意しました。

今まで多くの人々がハンセン病に対して誤った認識をしてきたことは、いったい何だったのかをしっかり検証したい。選挙では国民が私の社会復帰を受け入れてくれるかどうかを試すことにもなると思っています。

ハンセン病の啓発活動をしてきたのだけど、議員になって国政に参加できれば、その活動が大きな輪に広がっていくと思います。

また、ハンセン病に限らず、たくさんある人権や差別の問題に、自分がハンセン病問題の当事者として、それらに向き合うことができる。差別問題に関わることが自分にとってやりがいのあるライフワークとなっているんですよ。在日朝鮮人、HIV、アイヌ、被差別部落などの問題は、ハンセン病問題の当事者としては共通の部分が大いにあると思っています。日本ではまだまだ差別や偏見は根深いものがあります。自分なりに信念をしっかり持って、問題解消に向けて力を発揮したい。当事者として、嫌というほど差別のことについて知っているから、未来の日本に、残りの人生を精一杯努力していきたい。それはすごくやりがいがあるんじゃないかと思います。そんなことが、私を奮い立たせた理由です。

私はハンセン病患者・快復者の国際ネットワークのIDEA(International Association for Integration, Dignity and Economic Advancement)の日本のコーディネーターでもあるので、その活動も本格的にやりたいと思っています。本当に希望がいっぱいですよ!

ハンセン病快復者として、同じ側にいる人間として、国民に向かって伝えたいことはいっぱいあります。国会の中においても同じです。これからも啓発活動は大いにやっていきたいと、夢がふくらんでいます。

立候補は昨日まで迷っていたんですよ。一番は健康が気がかりだった。でも、うちのかぁちゃんは、頑張れ頑張れって励ましてくれてるもんでね。それでやっと昨日決意したんだよね。私は花々しく目立つんじゃなくて、一人、二人と友達になって、市民活動的な動きで多くの人とつながっていきたい。

議員になったからって高いところから見るんじゃなくて、地に足をつけて、みなさんと共に歩んでいきたいなぁと、いつも思っているんですよ。

差別された人間が差別を生み出すなんて、絶対あっちゃいけないから、そこは気にしながらやっていきたい。

たくさんの人が支援してくれています。私は若い人たちが大好きだからね、若い人たちと一緒に世界に誇れる日本を作っていきたい、という大きな理想も持っていますよ。

[2001年6月16日、茂木亮]

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