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原告団が政府・国会に提出した「全面解決要求書」全文

2001年5月11日

全面解決要求書

ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会
東日本訴訟原告団 瀬戸内訴訟原告団
西日本訴訟原告団
ハンセン病違憲国賠訴訟全国弁護団連絡会
東日本訴訟弁護団 瀬戸内訴訟弁護団
西日本訴訟弁護団

1996年3月、私たちハンセン病元患者の切実な要求であった「らい予防法」の廃止が実現した。これは間違いなく私たちの不屈の闘いの貴重な成果である。しかしこれで90年の長きにわたって続けられた強制隔離政策によって奪われた人権が回復されたわけではない。未だに、元患者の多くは故郷やそこに住む家族との絆を回復できないし、療養所を出て社会との繋がりを回復することもできない。しかも私たち元患者の平均年齢は70歳を超え、余命は長くはない。その人権回復は一刻の猶予も許されない緊急の礁題である。
そこで、私たちは国に対し、自らの誤ったハンセン病政策による 人権侵害の重大さ、深刻さを自覚し、裁判の結果を待つまでもなく、この間題の全面解決のため、直ちに以下のような対策を講じることを要求する。

第1 責任の明確化と謝罪
1 強制隔離政策の誤りとハンセン病患者・元患者に対する人権侵害の斉任を認めること。
2 ハンセン病患者・元患者に対し、誤った強制隔離政策による人権侵害について、謝罪すること。

第2 名誉回復措置と損害賠償
1 謝罪広告などにより広く社会に対し、ハンセン病患者・元 患者の名誉回復措置をとること。
2 全被害を償うにふさわしい賠償金を支払うこと。

第3 恒久対策
1 生活保障
(1)従来通りの給付を維持すること。
(2)退所者及び社会復帰を希望する者に対しては、新たな年金の支給、住居の確保・日常生活の介護など、社会生活を送る上で必要且つ十分な支援を行うこと。
(3)療養所での生活を希望する者に対しては、療養者の減少などがあろうとも、統廃合を行わず、終生在園を保証すること。
(4)ハンセン病元患者の医療や福祉が円滑に受けられるよう制度の整備、確立を図ること。
2 医療、看護・介護、福祉、環境の拡充
(1)療養所の医療、施設、看護・介護体制を整備充実すること。
(2)通院・在宅治療のための医療体制を早期に整備すること。
(3)視力障害者・身体障害者・高齢者の三対策を充実すること。
(4)心理面のケア対策を行うこと。
3 差別・偏見の解消
(1)差別禁止法を制定するなど実効性のある差別・偏見解消策を立案し、実行すること。
(2)偏見・差別に苦しむ家族・親族に対し、支援対策事業を行うこと。
(3)差別・偏見に苦しみながら無念の死を遂げ、しかも遺骨の引取先もない犠牲者について、名誉回復・被害回復の措置をとる こと。         
(4)差別・偏見解消のためのハンセン病教育を実施し、啓発活動を拡充、強化すること。

第4 真相究明と再発の防止
1 情報の開示
90年に及ぶ誤った強制隔離政策の真相を明らかにするため、国の有する全ての情報を開示すること。
2 真相究明委員会の設置
真相を究明し、二度と同じ過ちを繰り返さないため、原告団や学者などを含む外部機関を設置すること。
3 ハンセン病資料館の充実
ハンセン病の歴史や資料を後世に残すため、ハンセン病資料館を人的にも物的にも拡充させること。
4 感染症予防医療法の抜本的改正
現行の感染症予防法は、感染症差別解消及び感染症患者の人権保障について不十分であるので、抜本的に改正すること。
第5 継続協議の場の設定
以上の要求事項に関し、原告団の意向を常に反映させるため、厚生労働大臣との協議を含む継続的な協議の場を設定すること。 人権保障について不十分であるので、抜本的に改正すること。


[2001年5月11日]

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