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日本・韓国・台湾のハンセン病をテーマに写真集を出版 カメラマンの八重樫信之さん

韓国の金新芽さん。1977年、定着村の忠光農園を開拓。
現在はソロクトで妻と暮らす。 (写真集「絆」より)
© Copyright Yaegashi Nobuyuki 2005

2006年5月20日、ハンセン病をテーマに、10年にわたって撮影してきた写真をまとめた写真集「絆(きずな)―らい予防法の傷痕―日本・韓国・台湾」が出版された。著者は元朝日新聞社カメラマンで現在フリーカメラマンの八重樫信之(やえがし・のぶゆき)さん。

八重樫さんは、ハンセン病患者の隔離を規定していた「らい予防法」が廃止された1996年から、夫人の村上絢子さん(フリーライター)とともにライフワークとして各地のハンセン病療養所で写真を撮り続けながら、ハンセン病患者・快復者が受けてきた差別や偏見の実態に耳を傾けてきた。元患者が原告となったハンセン病国家賠償請求訴訟や、日本統治下の韓国や台湾で隔離収容された元患者がハンセン病補償法に基づく補償請求を求めたソロクト・楽生院訴訟の支援にも関わり、韓国や台湾のハンセン病療養所にも訪れた。
また、これまでに全国各地で多数、写真展を開催するなどして、ハンセン病快復者の姿を多くの市民に伝えてきた。

以前は顔を出して被害を語ることがほとんどできなかった快復者が、らい予防法廃止以降、少しずつ顔を出し、名前を名乗り、実態を語るようになった。その勇気ある「カミングアウト」をした人々の素顔をこの写真集で見ることができ、家族や社会との「絆」を絶たれてしまった快復者が、「絆」を取り戻しつつある今の姿も同時に見ることができる。

さらに日本統治下の韓国で設立されたハンセン病療養所の小鹿島(ソロクト)更正園における、日本人職員による患者への拷問に使われた焼きごてや、懲罰としての断種をした手術台、分厚い塀に囲まれた監禁室など、「患者を人間扱いしなかった植民地の療養所の暴力的な運営方針を、あからさまに物語っている」(本書より)という写真も収められている。本書は、韓国の人にも見てもらえるようにと、韓国語を併記している。

らい予防法による人権侵害の記録、快復者が人間としての尊厳を取り戻していく闘いの記録、日本が韓国・台湾に及ぼした「らい予防法の傷痕」を記録した貴重な写真集である。

絆 ―らい予防法の傷痕
―日本・韓国・台湾
八重樫 信之著・写真
出版:人間と歴史社

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[2006年6月6日、モグネット]

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