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韓国における定着村事業の歩み


1967年度の癩事業
1966年12月21日午前10時、国立保健研究院・訓練部の講堂で、1966年の癩協活動を総決算する癩協代議員定期総会が開かれた。50名の代議員たちが集まった中で開かれたこの日の定期総会は、5時間にわたって会議が行なわれたが、その順序を見ると、まず礼式を終えた後にチョン・ヒソプ保健社会部長官の祝辞(オ・ピョ企画室長が代読)があり、それに引き続いて本会議へと入って行った。この日の総会では、予算審議において前年度に比べて約800余万ウォン増えた6618万7900ウォンの1967年度予算を通過させ、午後の会議では、本部任員の定数を規定する定款第13条の改訂案と代議員の構成規定を無修正通過させた。
年が変わり1月に入って、大韓癩協会の事業は引き続き定着事業を中心に啓蒙事業など本来の事業に重点を置いた。特に、定着事業と共に重要事業としてあげられる、在家患者を捜し出す事業は、当時としては最も重要な事業の内の一つだった。
1967年1月の最後の日曜日である29日の午後3時に行なわれた第14回「世界癩病の日」の記念式には、保健社会部の関係者たちを始めとしてシャンパール・フランス大使、ノ・キナム大主教などの関係人士多数が参加した中で壮大に開かれた。特に、この記念式は韓国で始めて持たれたものだったためにその意義は大きかったが、この記念式でシャンパール・フランス大使は「癩患者も人間としての尊厳性と自由を充分に保証を受けなければならない」と記念辞を通して語り、患者代表たちを感激させた。また、この席では、「世界癩病の日」を制定したラウル・フレロ氏が、第14回の「世界癩病の日」を迎え、全世界の市民たちに送る呼びかけ文が読み、式場は一層厳粛なものとなった。一方、この日の記念式では、韓国の救癩事業に大きく貢献して来た10名の国内外の人士たちに対する感謝状授与があったが、感謝状を受けた人士たちの中には、日帝時代における韓国最初の民間救癩団体だった朝鮮癩病根絶策研究委員会の発起人であるユ・ソンヨル、イ・ソングン氏なども含まれていて異彩を放った。

初の「世界癩病の日」記念
韓国で初めて記念式を持った「世界癩病の日」で感謝状を受けた人士たちを紹介すると、次のようである。ユ・ソンユル、イ・ソングン、Rev.A.M.oliver、Rt.Rev.msge.George.Call0ll M.M.、George.B.Mathues、Dr.G.K.Wilson、Rev.Erwin.William、Raetz、Dr.Florence.Mfett、Stanleley.C.Topple。
ここで「世界癩病の日」に対して少し紹介してから進むのも意義があるだろう。
この「世界癩病の日」は、1954年に有名な慈善事業家であるラウル・フレロ氏によって制定された。その後、「世界癩病の日」は国際的にその規模が大きくなり、今日、多くの国でこの日を期して癩患者に対する崇高な人間愛と社会正義を呼び起こそうという運動として広がっている。ラウル・フレロ氏は「人間は一人だけでは、幸福を享受する事ができない」という持論と、人間は互いに愛し合わなければ自滅するという信念をもって不遇な癩患者の代弁人になった。
「『あの人は何の罪もなく死刑宣告を受けました。しかし、あなたの言葉一言で、その息をつなぐ事ができます。』と、ある人が皆様に言ったならば、皆様はありったけのカを尽くして、『彼を生かしましょう』と叫ぶ事でしょう。」これは不遇な癩患者を助けるために、ラウル・フレロ氏が世界万邦に訴えた有名な言葉である。以後、1954年1月の最後の日曜日は、世界万邦で「世界癩病の日」と定められ、韓国でも1967年1月からこの日を記念するようになった。この日の記念式と共に大韓癩協会は、記念式に先立つ28日に宮平農場を訪ねて愛の贈り物を伝達した。
このような贈り物を癩病院に伝達する事は、毎年の定例行事になって来たが、特に、この年には初めて「世界癩病の日」の記念式を持つようになったために、1日早く伝達された。そして、この年の記念行事は、全国的に各救癩団体によって幅広く行なわれた。1967年の新しい年が明けて、国際癩機構であるダミアン財団の韓国駐在代表であるバトルゲン・ブロック博士が小鹿島を訪ねた。バトルゲン・ブロック博士は、1966年4月15日に韓国とダミアン財団の間で癩事業協約が結ばれた後、1966年9月にその代表として派適され、韓国に駐在する事になった。

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[原典:「福祉」(大韓癩管理協会発行、1974年11月から1976年12月まで連載)、日本語原典:「灯の村」菊池義弘/訳・編]
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